ある火炎樹のさやのはなし

火炎樹の木に今年も大きなさやがなりました。



その中に一際大きなさやがありました。
あんまり立派なさやなもんだから
おひさまはじぃっと見つめました。



さやはおひさまに見つめられて照れて暑いのと
おひさまの日の光で暑いのとで
どんどん どんどん暑くなってきました。

そうしたらおやおや、
さやが光りだしました。



おひさまは気になってもっと見つめるものだから
さやはもっと もっと 暑くなって、
もっともっと 色とりどりに光りました。

パーン
さやがはじけました。
ぱらぱらぱら
中からは色とりどりの金平糖。



おひさま一粒食べたならほっぺがおちるほど
おいしくて

みんなにおすそわけしました。

みんな笑顔になりました。



残されたのは空っぽのさや。
ひとりぼっちの猫がそれにのかって
旅に出ました。





 不思議なさやのボートは
 川をあっちへ行ったりこっちへ行ったり。
 猫は目をまん丸にしてじっとただ前だけを見て
静かにちょこんとさやの船にのっています。



 7日ほど過ぎた時、猫の目がさらにまん丸くなりました。
 猫はもうひとりぼっちではありません。

 そこには自分とそっくりの猫がいたのでした。

 

 目を細めて見ていたおひさまは
大事な最後の一粒を
 ふんっ
 とふたつにして
 あげたのでした。

 二匹は仲良く健やかに幸せに暮らしたのでした。

 めでたし、めでたし。

 

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